保護猫を家族に迎え入れる場合、保護団体さんから「避妊手術を受けさせるように」と言われることが多いと思います。
避妊は猫の健康を守り、かわいそうな命を増やさないために大切なことだとわかってはいても、元気な猫に手術をさせることに戸惑いがありましたし、なによりもとても不安で心配でした。
今回は初めて猫の避妊手術を受けさせる方に、ぜひ知っておいて欲しいことや、事前に準備しておくと良いことをお伝えします。
猫の避妊去勢手術に際しての疑問や不安が、一つでも解消されたら嬉しいです♪
猫に避妊手術を受けさせる理由
室内で1匹で飼っているから、
避妊手術はしなくてもいいじゃないの?
そもそも、なぜ避妊手術をするのでしょうか?
法律で定められているから
まず「動物愛護管理法」では、猫の所有者は猫がみだりに繁殖しないように不妊去勢手術等の措置をするように努めなければならないとしています。
動物の飼い主は、動物の種類や習性等に応じて、動物の健康と安全を確保するように努め、動物が人の生命等に害を加えたり、迷惑を及ぼすことのないように努めなければなりません。また、みだりに繁殖することを防止するために不妊去勢手術等を行うこと、動物による感染症について正しい知識を持ち感染症の予防のために必要な注意を払うこと、動物が自分の所有であることを明らかにするための措置を講ずること等に努めなければなりません。
環境省 「動物愛護管理法の概要」より抜粋 (https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/outline.html)
猫は避妊手術をしないと、たった1年間で20匹に増えるそうです。
飼い主にも飼育できる猫の数には限りがありますから、猫が増えすぎて飼育崩壊を招かないために避妊手術をする責任があります。
乳がんなどの病気の予防のため
では1匹で飼っている猫ちゃんの場合、避妊しなくても良いのでは?と思うかもしれません。
わたしもそう考える一人でした。
でも、実は避妊・去勢手術をすることにより、乳腺がんや生殖器系の病気の予防になるそうです。
特に猫の乳腺腫瘍は、ほとんどが悪性で死に至る病だそう。
これらの予防になるのは大きなメリットだと思います。
ストレスを軽減するため
避妊去勢手術をしていない猫ちゃんは、発情期を迎えます。
室内で1匹で飼っている猫ちゃんの場合、発情期を迎えても交尾をすることができないためストレスが溜まってしまいます。
また、発情期を迎えると、独特の大きな鳴き声を出したり、マーキングをします。
ストレスや発情に伴う問題行動防止できるのも、避妊去勢手術をするメリットの一つです。
避妊去勢手術は、猫ちゃんにとってもメリットが大きいんですね!
避妊・去勢手術の時期と流れ
避妊・去勢手術はいつ受けるのがベストなのかしら?
避妊・去勢手術を受ける時期
一般的に猫の避妊・去勢手術は、生後6ヶ月頃にするのが良いとされています。
生後7ヶ月ごろから最初の発情期が始まるそうなので、その前にするのが良いそうです。
また早めに手術をすることで、猫ちゃんの心身への負担が少なくて済むと言われました。
ただ、上記の月齢を満たしていても、体重が少なすぎると麻酔に耐えられなかったりすることがあるようなので、早めにかかりつけの獣医さんに相談しておくことをお勧めします。
避妊・去勢手術はどんなスケジュールでするの?
避妊・去勢手術の流れ
以下はうちの猫ちゃん(メス)が避妊手術を受けた時の流れです。
オスの猫ちゃんの場合も大きな流れは同じなので、ご参考にしてください。
- 手術の予約をする(手術の1ヶ月前くらいを目処に)
生後6ヶ月で手術をする場合、5ヶ月頃には避妊去勢手術を受けたい旨を動物病院に電話で相談すると良いと思います。
小さなクリニックの場合、直前だと予約が取れなかったりしますし、事前に診察やワクチン接種などの準備が必要なことがあります。 - ノミ駆除の薬をつける(手術日の3日前)
動物病院の他の猫ちゃんからノミをもらったり、逆にノミを持ち込まないために、事前にもらっておいたノミ駆除の薬を3日前までにつけておきます。
ノミ駆除の薬は、猫ちゃんが舐めないように、首の後ろ側に数滴垂らしてつけます。 - ご飯やお水をあげないようにする。(手術の前日から当日)
手術の前日の夜10時以降から手術の当日までご飯やお水をあげないようにと言われます。
全身麻酔をするため、胃や腸に食べ物があるともどして窒息してしまったり、消化不良を起こしてしまうためだそうです。 - 病院で術前検査をして手術(手術当日)
午前中に病院に連れて行き、簡単な問診を受けて預けます。
かかりつけの病院では、オスの場合は日帰りで夕方に引き取り、メスの場合は一泊して翌日の夕方お迎えでした。 - 家で療養(手術〜5日間)
手術の傷を舐めないようにカバーをつけたりして気をつけながら、抗生剤などの薬を5日間ほど飲ませます。
食欲があるか、元気があるか、排泄はできているか、等 見守ります。 - 抜糸(手術の1週間後)
病院で抜糸してもらい、診察を受けて問題なければ終了です。
また溶ける糸を使った場合は、抜糸は不要です。
避妊・去勢手術の前に準備しておくと良いこと
避妊・去勢手術の前に準備しておいてよかったこと、
準備しておけばよかったなぁと思ったことはこちらです!
・術後服
・エリザベスカラー
・チュール
・ウェットフード
・猫ベッド
・飼い主の休暇
術後服やエリザベスカラーの用意は事前にしておく
手術を受ける前に、ぜひ「術後服」を購入しておくことをお勧めします!
うちは、手術の後傷口を舐めてしまうのを止めるのが大変でした。
傷にはテープが貼ってあるけれど、それが気になるのかペロペロ。。。
病院の先生には「傷が開くことはないと思うけど、舐めそうになったら止めてあげてください」と言われていたので、もちろん止めるけれど、やめるわけはなく・・・(笑)
エリザベスカラーを病院で借りて付けてみたのですが、重たく大きくてすぐ外れてしまいました。
傷を舐めないように見守るのも大変でしたので、その日のうちに術後服をネットで買いましたが、届くまでずっとヤキモキしてしまいました。
また、先生からは「医療用のエリザベスカラーが重たい場合は、カップ麺のカップをくり抜いて使ったりしますよ」とアドバイス頂いていました。
でも、うまくつける自信がなかったので、試しはしませんでしたが、こちらも合わせて検討した方がいいかもしれません。
軽めのエリザベスカラー、術後服、カップ麺の空きカップ、、、
何かしらを事前に準備しておくことをお勧めします。
食べやすい食事、おやつを用意しておく
その子にもよりますが、術後のダメージが大きい場合は、普段のエサを食べない場合があります。
うちの子も退院した日はカリカリを食べなかったので、ウェットやチュールなど柔らかいエサをあげました。
普段餌はカリカリのみ、というおうちの方には、柔らかく食べやすい餌やおやつも少し用意しておいた方が安心だと思います。
落ち着ける柔らかい寝床、猫ベッドを用意しておく
術後は、お腹が痛いのか、柔らかいベッドに丸まって寝ていました。
普段使っているベッドや寝床でゆっくり回復できるように準備してあげた方がいいと思います。
飼い主の休暇
特に指示されてはいませんが、少なくとも術後当日と翌日は、様子を見守ってあげた方がいいと思います。
私は在宅勤務だったので、術後の翌日は仕事をしながら見守っていましたが、やっぱり傷口を気にして舐めてしまっていたり、ぐったりしていたのでお水を飲みやすい位置に置いてあげたり、暖かくしてあげたりとお世話をしていました。
難しい方ももちろんいらっしゃると思うのですが、もしできるのなら、手術の日と翌日はお休みして一緒に過ごしてあげるとお互い安心ですね。
まとめ
猫の避妊・去勢手術のスケジュールや、準備しておくことと良いことを書きました。
基本的な流れを事前に知っておくだけで安心できますし、予定も立てやすいですよね。
避妊・去勢手術は、猫を飼って最初の大きな医療行為になる方がほとんどだと思います。
この記事で飼い主さんの不安が少しでも軽くなれば嬉しいです!
皆さんの猫ちゃんが、無事に避妊・去勢手術を済まされることを祈っています✨